映画を見てインプットアウトプットする企画、みつえの映画感想ブログです。
第一回目選んだ映画は『この世界の片隅に』です。
目次
見ようと思ったきっかけ
・話題になっていたので気になっていた。
・アニメだし見やすいと思った。
・推し声優が出ている。
なかなか適当で邪な理由ですね!
今回はアマゾンプライムビデオで見ました。
感想
小学校の頃、学校で見せられた「火垂るの墓」や「はだしのゲン」が怖かった。
戦争はいけないとかそういうのを考える前に恐怖映像としてこの脳に刻まれ「二度と見たくない」と思ってしまった。
そういう【トラウマ】を植え付けることを正しいとする人もいると思うが、その意見にはずっと疑問だった。
そういう意味では正しい意味で【戦争の凄惨さ】をこの身に刻みつけてくれた初めての映像な気がする。
主人公のすずさんという女性
この映画を外から眺めていた時、すずさんという人の、女性の戦時中の生き方についての意見をよく目にしたがわたしにはそうは映らなかった。
残酷描写は殆どない、なのに悲惨さも辛さもきつさも伝わってくる。
「この世界の片隅に」という映画の印象はそれだった。
すずさんというぽやっとした絵の上手な女の子が全く知らない人の家に嫁いでいく。
原作ではなぜそうなったのかなど色々描写があるそうだが、映画の作中ではほとんど語られていない。
それもあり、邪魔…といってはいけないのかもしれないが邪推する要素がほとんどなく戦時中のいち主婦の生き方を示していくれている。
結婚をして生活していく中で変わっていくすずさんの様子が悲しい。
水彩画のような優しい絵柄と色と世界なのに日に日に戦争色が強くなっていく。
子供の頃とは違い、自分で考えなくてはいけないことが増えていく。
すずさんが大人になっていく。
正直言ってしまうとわたしは「変わらない要素フェチ」なのだ。
少女性・少年性を失ってほしくない。
たとえば男装をする少女がいたとして、その子がいろいろな理由から男装をやめてしまったりする。
それが成長であれ、恋であれ、その子にとってプラスの要素であるかもしれないがそれがたまらなく「嫌」なのだ。
変わらないでいて欲しい。せめて2次元のキャラだけでもと思ってしまうのだ。
しかし否応なしに変わってしまう。
それはこの世界では当然で、仕方なく、気づいたらもう変わってしまっていた。
可愛い柄でかわいい色で塗られている世界で気づいたらすずさんは大人になってしまっていた。
作中でもすずさんが涙を零し、「何も知らないまま、子供のまま死にたかった」と叫んでいた。
わたしを納得させる勢いがあった。絵柄に関わらずひどく現実味を帯びていた。
しかしこれは先に挙げた「火垂るの墓」や「はだしのゲン」を読んだからこそのそれかもしれない。
工夫をするシーンが楽しい
どのアニメを見るにしても作業シーンが大好きなので、すずさんが料理をしたり工夫をして節約をするシーンが楽しい。絵柄の可愛さもあいまって見ていてほっこりしてしまう。
ラピュタでシータが料理をするシーン、アリエッテイで借りをするシーン、ハウルでベーコンを焼くシーンが好きな人なら中盤はとても楽しめると思う。
絵かきとして
絵かきとして絵がかけなくなる描写が辛い。
作中とある事故ですずさんは絵を描けなくなってしまう。すずさんの絵というのは作中でも特別な意味を持っていた。それが突然奪われてしまう。
そこからはずっと見ていて辛かった。
空襲を見て「今この場に絵の具があれば」と思ってしまっていたすずさんの気持ちがわかるだけに。
「ハチミツとクローバー」という漫画でも天才的な絵描きのはぐちゃんが手をけがしてしまうシーンがある。
結論からいうと、ふたりとも手が無事に戻ることは作中ではない。
はぐちゃんは将来的にわからないが、すずさんはもう無理だ。
本当に辛い。
自分だったらと思うとやりきれない。
途中からずっとすずさんの無念さを抱いて作品を見ていた気がする。
総評
面白さ★★★★☆
おすすめ★★★★☆
学校やお盆の時期には火垂るの墓よりこっちを流したほうがいいと思う。
2時間しっかり見て欲しい。
すずさんの夫の描写に関しては薄く、説明不足な場面が多々あるせいで「頼りない人」という印象があってしまう。もう少し詳細を描いた版の映画や原作ではその印象を拭えるかもしれない。
インプット企画1作めにしてかなり重いものを見た気がする。
もっと穏やかな話しかと思っていたが、しっかりとした戦争ものだった。
おかげでこうして感想が書きやすかったんだが…w
漫画版が全3巻で手に取りやすい感じだったので機会があれば見てみたいと思う。
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